勘定科目一覧【個人事業主・フリーランス向け2026年版】
経費の早見表と迷ったときの使い分け
帳簿づけでつまずく最大の原因が「この支出はどの勘定科目?」という迷いです。このページでは、個人事業主・フリーランスが実際に使う勘定科目をグループ別の早見表にまとめ、特に迷いやすい経費の使い分けを仕訳例つきで整理しました。まずはここをブックマークして、迷ったら見返せる「早見表」として使ってください。
先に結論
勘定科目は「厳密な正解」より「継続して同じ基準」が大切
勘定科目の振り分けは、法律でガチガチに決まっているわけではありません。経費であること自体が正しく、毎年同じ基準で分類していれば、多少の違いは問題になりにくいのが実務です。個人事業主は青色申告決算書の経費欄にある科目に沿えばOK。迷ったら下の早見表と使い分けを参考にしてください。
勘定科目は5つのグループに分かれる
すべての勘定科目は、大きく次の5グループのいずれかに属します。「資産・負債・純資産」は貸借対照表(B/S)に、「収益・費用」は損益計算書(P/L)に集計されます。
| グループ | 意味 | 代表的な勘定科目 |
|---|---|---|
| 資産 | 事業で持っているお金・権利・モノ | 現金/普通預金/売掛金/工具器具備品/事業主貸 |
| 負債 | 将来支払う義務があるお金 | 買掛金/未払金/借入金/事業主借 |
| 純資産(資本) | 元手・事業の正味財産 | 元入金(個人)/資本金(法人) |
| 収益 | 売上など事業で得た収入 | 売上高/雑収入/家事消費 |
| 費用 | 売上のためにかかった経費 | 仕入/消耗品費/旅費交通費/地代家賃 ほか |
経費(費用)の勘定科目 早見表
個人事業主がもっとも迷うのが経費の分類です。以下は青色申告決算書の経費欄に載っている科目を中心に、実際の使いどころをまとめた早見表です。決算書に印字されていない科目(会議費・新聞図書費・支払手数料など)は、空欄に自分で書き足すか、近い科目にまとめて構いません。
| 勘定科目 | どんな時に使う(具体例) |
|---|---|
| 租税公課 | 個人事業税・固定資産税・自動車税・印紙税・商工会費など(所得税・住民税は経費にならない) |
| 荷造運賃 | 商品発送の梱包材・宅配便・送料 |
| 水道光熱費 | 電気・ガス・水道代(自宅兼事務所は家事按分) |
| 旅費交通費 | 電車・バス・タクシー・ガソリン代・出張の宿泊費・駐車場代 |
| 通信費 | スマホ・固定電話・インターネット・切手・サーバー/ドメイン代(家事按分あり) |
| 広告宣伝費 | 名刺・チラシ・Web広告・SNS広告・ホームページ制作費 |
| 接待交際費 | 取引先との会食・手土産・お中元お歳暮・慶弔費 |
| 損害保険料 | 事業用の火災保険・自動車保険・賠償責任保険(生命保険は対象外) |
| 修繕費 | パソコン・車・店舗設備の修理(高額な改良は資産計上) |
| 消耗品費 | 文房具・USBメモリ・10万円未満の備品・ソフトウェア等の少額品 |
| 減価償却費 | 10万円以上の固定資産(PC・車・機材)を耐用年数で分割計上 |
| 福利厚生費 | 従業員がいる場合の慰安・健康診断・お茶やお菓子代(一人事業主本人分は原則不可) |
| 給料賃金 | 従業員・アルバイトへの給与(源泉徴収が必要) |
| 外注工賃 | 外部の個人・業者へ業務委託した報酬(外注費) |
| 利子割引料 | 事業用ローン・借入金の支払利息 |
| 地代家賃 | 事務所・店舗・駐車場の家賃・地代(自宅兼用は家事按分) |
| 専従者給与 | 青色事業専従者(家族従業員)へ支払う給与(事前届出が必要) |
| 雑費 | どの科目にも当てはまらない少額・一時的な支出(多用は避ける) |
| 会議費 ※ | 打合せの飲食・喫茶・会場代(1人5,000円以下の少額な打合せ飲食) |
| 新聞図書費 ※ | 業務に関係する書籍・専門誌・新聞・有料記事 |
| 研修費 ※ | セミナー・講座・スクールの受講料(業務に関連するもの) |
| 支払手数料 ※ | 振込手数料・決済サービス手数料・販売プラットフォーム手数料 |
※ 印は青色申告決算書に印字されていない任意科目。決算書の空欄に自分で科目名を記入して使えます。
収益・資産・負債の主な勘定科目
収益
- 売上高:事業の本業収入
- 雑収入:受取利息・給付金・還付加算金など本業以外の収入
- 家事消費:商品を自分用に消費した分
資産
- 現金/普通預金:手元現金・事業用口座
- 売掛金:後日入金される未回収の売上
- 工具器具備品/車両運搬具:固定資産
- 事業主貸:事業のお金を私用に使った分
負債・純資産
- 買掛金/未払金:後日支払う仕入・経費
- 借入金:金融機関などからの借入
- 事業主借:私用のお金を事業に使った分
- 元入金:個人事業の元手(資本)
よく迷う勘定科目の使い分け
消耗品費 と 雑費
文房具・10万円未満の備品など「消耗して無くなる物品」は消耗品費。どの科目にも当てはまらない少額・一時的な支出だけを雑費に入れます。雑費が経費全体の1割を超えるようだと内容が不透明に見えるため、当てはまる科目があるものはそちらへ寄せましょう。
地代家賃 と 賃借料(リース料)
事務所・店舗・駐車場など不動産の家賃は地代家賃。コピー機・機材などの物品レンタル・リースは賃借料(リース料)で分けると集計がすっきりします。
接待交際費 と 会議費
取引先との飲食のうち、1人あたり5,000円以下で打合せを目的とした少額なものは会議費として扱えます。個人事業主は交際費に上限がありませんが、会議費として区分しておくと支出の性質が明確になります。手土産・慶弔費・高額な会食は接待交際費です。
外注工賃(外注費) と 給料賃金
時間・場所を指示し指揮命令下で働いてもらうなら給料賃金(源泉徴収が必要)。成果物・業務単位で独立して請け負ってもらうなら外注工賃。名目ではなく働き方の実態で判断します。誤ると源泉徴収漏れを指摘されることがあります。
事業主貸 と 事業主借
個人事業特有の科目です。事業のお金を私用に使ったら事業主貸、私用のお金(プライベート資金)を事業の支払いに充てたら事業主借。生活費の引き出しやプライベートカードでの経費立替に頻繁に使います。
勘定科目を使った仕訳例
| 取引 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 現金で文房具を購入 | 消耗品費 | 現金 |
| 電車代をSuicaで支払い | 旅費交通費 | 現金(または事業主借) |
| 売上を請求(後日入金) | 売掛金 | 売上高 |
| プライベート口座から事務所家賃を支払い | 地代家賃 | 事業主借 |
| 生活費を事業用口座から引き出し | 事業主貸 | 普通預金 |
「借方・貸方どちらに書くか」で迷う場合は、複式簿記の帳簿のつけ方もあわせてご覧ください。
勘定科目に迷わない——ひとり青色
「電車代」「文房具」などの摘要を入力すると、ふさわしい勘定科目を自動で提案。標準科目に無いものはカスタム勘定科目として追加でき、帳簿・青色申告決算書に反映されます。買い切り¥4,980・月額なし。まずは登録不要のブラウザ版で試せます。
よくある質問
勘定科目は自分で自由に決めていいですか?
ある程度は自由に決められます。法律で「この経費は必ずこの科目」と細かく決まっているわけではありません。ただし、一度決めた基準は毎年継続して使うことが大切です(継続性の原則)。個人事業主は青色申告決算書の経費欄にある科目に沿って分類するのが無難です。
勘定科目を間違えたらどうなりますか?
経費であること自体が正しく、所得金額(=税額)が変わらなければ、科目の振り分けが多少違っても大きな問題にはなりにくいです。ただし、経費にできないものを経費にした、消費税の課税・非課税の区分を誤った場合は修正が必要です。迷ったら継続して同じ基準で処理しましょう。
消耗品費と雑費はどう使い分けますか?
文房具・USBメモリ・10万円未満の備品など消耗して無くなる物品は「消耗品費」です。「雑費」はどの科目にも当てはまらない少額・一時的な支出に使います。雑費の割合が大きいと内容が不明瞭に見えるため、当てはまる科目があるものはそちらに分類し、雑費は最小限にとどめましょう。
外注費と給与はどちらの勘定科目にすべきですか?
働き方の実態で判断します。時間や場所を指示し指揮命令下で働いてもらうなら「給料賃金」(源泉徴収が必要)。成果物や業務単位で独立して請け負ってもらうなら「外注工賃(外注費)」です。名目だけで決めず、実態で判断してください。
個人事業主と法人で勘定科目は違いますか?
基本的な科目は共通ですが、一部が異なります。個人事業主は「事業主貸・事業主借」「元入金」「専従者給与」を使い、法人は「役員報酬」「法人税等」「資本金」など法人特有の科目を使います。会計ソフトなら事業者の種別に合わせて必要な科目だけが表示されます。
一覧にない勘定科目を追加できますか?
できます。事業内容に合わせて独自の勘定科目を追加して問題ありません。青色申告ソフト「ひとり青色」でも、標準の勘定科目に加えてカスタム勘定科目を追加でき、資産・負債・費用などの区分を指定して帳簿や決算書に反映できます。
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あおい
ひとり青色 開発者
法務関係の仕事をしながら副業を始め、確定申告が必要になったことをきっかけに青色申告ソフトを自作。月額制ソフトの年間コストに疑問を持ち、買い切り型の「ひとり青色」を開発・公開。