家賃 按分の計算方法【2026年版】
個人事業主が自宅家賃を経費にする手順
在宅ワーク・フリーランスが自宅の家賃を経費にするには「家事按分」の考え方が必要です。按分割合の計算方法・仕訳の書き方・税務署に認められる目安まで解説します。
この記事のポイント
- ✓家賃の按分は床面積割合で計算するのが最も合理的
- ✓一般的な目安は20〜30%(専用書斎があれば40〜50%も可)
- ✓仕訳は按分後の金額だけを「地代家賃」で計上
- ✓光熱費・通信費も同様に按分できる
家賃 按分の計算方法
最も一般的で税務署に認められやすいのは床面積による按分です。
経費額 = 家賃 × (仕事部屋の面積 ÷ 部屋全体の面積)
計算例①:ワンルーム・デスクコーナー使用
家賃8万円・30㎡・仕事スペース6㎡(20%)
→ 経費 16,000円/月
計算例②:2LDK・1部屋を書斎に
家賃12万円・60㎡・書斎15㎡(25%)
→ 経費 30,000円/月
⚠ 按分割合の目安と上限
一般的に20〜30%が認められやすい範囲です。専用の仕事部屋がある場合は40〜50%も合理的。ただし50%超は「なぜその割合か」の根拠が必要です。
費用別の按分方法と目安
| 費用の種類 | 按分の根拠 | 目安割合 | 勘定科目 |
|---|---|---|---|
| 家賃 | 床面積割合 | 20〜30% | 地代家賃 |
| 電気代 | 床面積 or 使用時間割合 | 20〜30% | 水道光熱費 |
| インターネット回線 | 使用時間割合 | 50〜100% | 通信費 |
| スマホ代 | 仕事・プライベート使用時間 | 30〜50% | 通信費 |
| ガス代 | 床面積割合(仕事関連性低め) | 10〜20% | 水道光熱費 |
| 水道代 | 事業関連性が低いため困難 | 0〜10% | 水道光熱費 |
仕訳の書き方
帳簿に記録するのは按分後の事業用金額だけです。プライベート分は帳簿に記載しません。
家賃10万円・按分20%(2万円)を経費化する場合
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | 摘要 |
|---|---|---|---|---|
| 地代家賃 | 20,000 | 普通預金 | 20,000 | 家賃按分20%(4月分) |
※プライベート分の8万円は帳簿に記載しません
電気代8,000円・按分25%(2,000円)を経費化する場合
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | 摘要 |
|---|---|---|---|---|
| 水道光熱費 | 2,000 | 普通預金 | 2,000 | 電気代按分25%(4月分) |
家事按分による年間節税効果の試算
| 費用 | 月額 | 按分割合 | 月額経費 | 年間経費 |
|---|---|---|---|---|
| 家賃 | 100,000 | 20% | 20,000 | 240,000 |
| 電気代 | 8,000 | 25% | 2,000 | 24,000 |
| ネット回線 | 5,500 | 80% | 4,400 | 52,800 |
| 合計経費額 | 316,800円 | |||
※所得税率20%の場合、約63,360円の節税効果
税務調査で否認されないための3つのポイント
按分割合の根拠を記録しておく
間取り図・各部屋の面積メモ、仕事時間の記録など。「なぜこの割合か」を問われたときに説明できるようにしておきます。
毎年一貫した割合を使う
年によって割合が大きく変わると不自然に見えます。住居が変わった場合など合理的な理由がある場合を除き、継続して同じ割合を使いましょう。
50%超は慎重に
家賃の50%超を経費にするなら、仕事専用スペースが明確にある(書斎・作業室がある)ことが前提です。リビングのデスクで仕事をする程度では認められにくいです。
よくある質問
Q. 賃貸でも家賃を経費にできますか?
A. はい、できます。自宅兼事務所の場合、業務使用割合に応じた金額を「地代家賃」として経費に計上できます。
Q. 月ごとに按分割合を変えてもいいですか?
A. 合理的な理由があれば可能ですが、毎月変えると管理が煩雑になります。年間を通じて一定の割合にするほうが実務的です。
Q. 家賃按分のために領収書は必要ですか?
A. 銀行振込の場合は通帳が証拠になります。振込明細・引き落とし明細を保管しておけば十分です。
Q. 妻名義の家賃は経費にできますか?
A. 名義が配偶者でも、事業主本人が実際に支払っていれば経費にできます。ただし銀行引き落としの名義や実態と一致していることが重要です。