青色申告の帳簿のつけ方
【2026年版・フリーランス・個人事業主向け入門ガイド】
「青色申告を始めたいけど、帳簿のつけ方がわからない」という方向けに、必要な帳簿の種類から仕訳の書き方まで、実例を交えてわかりやすく解説します。
青色申告に必要な帳簿の種類
| 帳簿名 | 内容 | 65万円控除 | 10万円控除 |
|---|---|---|---|
| 仕訳帳 | すべての取引を日付順に記録 | 必須 | 必須 |
| 総勘定元帳 | 勘定科目ごとに集計した帳簿 | 必須 | 必須 |
| 現金出納帳 | 現金の入出金を記録 | — | 必要に応じ |
| 固定資産台帳 | PC・機材などの資産管理 | 必要に応じ | 必要に応じ |
※65万円控除には複式簿記(仕訳帳+総勘定元帳)が必要。専用ソフトを使えば自動で生成されます。
複式簿記とは?仕訳の基本ルール
複式簿記では1件の取引を「借方(左)」と「貸方(右)」の2つに分けて記録します。
仕訳の基本ルール
借方(左)に書くもの
- ・資産が増えた
- ・費用が発生した
- ・負債が減った
貸方(右)に書くもの
- ・資産が減った
- ・収益が発生した
- ・負債が増えた
よくある取引の仕訳例
例1:売上を普通預金で受け取った(10万円)
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 100,000 | 売上高 | 100,000 |
例2:通信費を普通預金から支払った(5,000円)
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 通信費 | 5,000 | 普通預金 | 5,000 |
例3:PCを購入した(15万円・一括経費)
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 消耗品費 | 150,000 | 普通預金 | 150,000 |
帳簿をラクにつけるコツ
毎月まとめて記帳する
毎日ではなく月1回まとめて記帳するだけでOK。通帳やカード明細を見ながらまとめて入力すると効率的です。
領収書・レシートは日付順に保管
7年間の保管義務があります。月ごとに封筒に入れておくだけで十分です。
専用ソフトで自動化する
仕訳を入力するだけで総勘定元帳・損益計算書・貸借対照表が自動生成されます。手書きや表計算ソフトより大幅に手間が減ります。
つまずきやすい「発生主義」— 売掛金の記帳
青色申告(複式簿記)は発生主義が原則です。お金が動いた時ではなく、売上や費用が確定した時点で記帳します。後で入金される売上(売掛金)は、確定時と入金時の2回に分けて記帳するのがポイントです。
① 3月に納品・請求(まだ未入金・10万円)
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 100,000 | 売上高 | 100,000 |
② 4月に入金された
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 100,000 | 売掛金 | 100,000 |
※ 年末(12月31日)時点で未入金の売上も、その年の売上として計上します。翌年の入金を待たない点に注意しましょう。
よくある質問
青色申告の帳簿は手書きやエクセルでもいいですか?
手書きやエクセルでも記帳できますが、65万円・55万円控除には複式簿記(仕訳帳と総勘定元帳)が必要で、貸借を一致させる作業が煩雑でミスも起きやすくなります。会計ソフトなら仕訳を入力するだけで両方の帳簿と決算書が自動生成されるため、複式簿記に不慣れな方ほどおすすめです。
記帳をためてしまった場合はどうすればいいですか?
通帳・クレジットカードの明細をもとに、さかのぼってまとめて入力できます。会計ソフトのCSVインポート機能を使えば、銀行やカードの明細を一括で取り込めるため、数か月分の記帳も短時間で追いつけます。
後で入金される売上(売掛金)はどう記帳しますか?
青色申告(複式簿記)は発生主義が原則です。売上が確定した時点で「売掛金/売上高」、実際に入金された時点で「普通預金/売掛金」と2回に分けて記帳します。年末時点で未入金の売上も、その年の売上に計上する点に注意しましょう。
事業用口座からプライベートの支出を払った場合は?
「事業主貸」という勘定科目で処理します(借方:事業主貸/貸方:普通預金)。逆にプライベートのお金で事業の経費を払ったときは「事業主借」を使います。事業とプライベートのお金の行き来はこの2科目で整理します。
帳簿や領収書はいつまで保存が必要ですか?
青色申告者は、仕訳帳・総勘定元帳などの帳簿と決算関係書類を7年間保存する義務があります。領収書・請求書などの証憑も原則7年(前々年の所得が300万円以下の場合は一部5年)です。月ごとに封筒などで整理しておくと安心です。
65万円・55万円・10万円控除で帳簿の要件は違いますか?
65万円・55万円控除は複式簿記による記帳が必要で、65万円はさらにe-Taxでの電子申告または電子帳簿保存が要件です。10万円控除は現金出納帳などの簡易簿記(単式)でも認められます。控除額が大きいほど記帳のハードルは上がりますが、ソフトを使えば負担は大きく変わりません。
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あおい
ひとり青色 開発者
法務関係の仕事をしながら副業を始め、確定申告が必要になったことをきっかけに青色申告ソフトを自作。月額制ソフトの年間コストに疑問を持ち、買い切り型の「ひとり青色」を開発・公開。