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簿記・仕訳 2026年6月更新

個人事業主は自分に給料を払える?生活費の正しい出し方【事業主貸】

結論:個人事業主は自分に給料を払えません。事業の利益がそのまま自分の所得だからです。では生活費はどう出せばいいのか?答えは「事業主貸」での引き出しです。この記事では仕訳のやり方、毎月の生活費管理のコツ、そして「給料を経費にしたいなら法人化」の判断目安まで解説します。

なぜ自分に給料を払えないのか

個人事業主は、事業と個人が法律上同一人格です。「自分が自分に給料を払う」ことは、右ポケットのお金を左ポケットに移すのと同じで、所得の発生にも経費にもなりません。

個人事業主 法人(ひとり社長)
自分への給料 不可(概念がない) 役員報酬として可
経費になるか —(事業主貸=経費外) 法人の損金になる
自分の所得 事業の利益すべて 役員報酬の額(給与所得控除あり)

生活費の出し方:「事業主貸」で仕訳する

事業用口座から生活費を引き出すときは、事業主貸という勘定科目を使います。これは「事業のお金を事業主(プライベート)に貸した」という意味の科目で、経費ではありません。

仕訳例:生活費として20万円を事業口座から引き出した

借方 貸方
事業主貸 200,000円 普通預金 200,000円

摘要:「生活費」「自分用引き出し」など。事業主貸はいくら計上しても税額に影響しません。

よくある誤解

  • 「事業主貸が多いと税務署に怪しまれる」→ 事業主貸の額自体は問題になりません。生活費の引き出しは自由です。
  • 「生活費を給料(給与賃金)で仕訳すれば経費になる」→ 誤りです。自分への支払いを給与賃金に計上すると過少申告になります。
  • 「事業主貸は年末に精算が必要」→ 翌期首に元入金へ自動的に振り替わるだけで、返済する必要はありません。

事業主貸・事業主借の使い分けは事業主貸と事業主借の仕訳まとめで詳しく解説しています。

実践:毎月「定額」で引き出すのがおすすめ

制度上はいつ・いくら引き出しても自由ですが、おすすめは毎月決まった日に決まった額を生活用口座へ移す運用です。

事業の資金繰りが読みやすくなる

「事業口座の残高=事業に使えるお金」が明確になり、納税資金の確保もしやすい

記帳が月1仕訳で済む

こまごま引き出すと仕訳が増えるだけ。定額移動なら毎月同じ仕訳のコピーで完了

生活水準の管理になる

「自分の手取り月◯万円」と決めることで、利益が出た月も使いすぎを防げる

事業用口座とプライベート口座の分け方は個人事業主の口座の分け方を参考にしてください。

「給料を経費にしたい」なら:2つの道

① 家族への給料なら「専従者給与」

自分への給料は無理でも、青色申告なら生計を一にする家族への給料(青色事業専従者給与)は届出をすれば経費にできます。詳しくは専従者給与の要件と届出へ。

② 自分への給料なら「法人化」

法人化すれば役員報酬として自分に給料を払え、法人の損金になります。給与所得控除(最低55万円)も使えるため、課税所得800万円前後から法人化の節税メリットが出やすいと言われます。ただし社会保険の強制加入・法人住民税の均等割(赤字でも年7万円)などコスト増もあるため総合判断が必要です。詳しくは法人化のタイミングへ。

よくある質問

個人事業主は自分に給料を払えますか?

払えません。個人事業主と事業は法律上同一人格のため、自分への給料という概念が存在しません。事業の利益(売上−経費)がそのまま事業主の所得になります。生活費を事業用口座から引き出すときは「事業主貸」という勘定科目で記帳しますが、これは経費ではなく単なる資金移動です。

生活費を事業口座から引き出したらどう仕訳しますか?

「事業主貸 ◯◯円 / 普通預金 ◯◯円」と仕訳します。例えば生活費として20万円引き出した場合、借方が事業主貸20万円・貸方が普通預金20万円です。事業主貸は経費ではないので、いくら引き出しても税金は変わりません。

自分への給料を経費にしたいなら法人化が必要ですか?

はい。法人化すれば自分は会社から役員報酬を受け取る形になり、役員報酬は法人の経費(損金)になります。さらに給与所得控除(最低55万円)も使えるため、所得が一定水準を超えると法人化の節税メリットが出てきます。目安は課税所得800万円前後と言われますが、社会保険料の負担増も含めて総合判断が必要です。

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あおい

あおい

ひとり青色 開発者

法務関係の仕事をしながら副業を始め、確定申告が必要になったことをきっかけに青色申告ソフトを自作。月額制ソフトの年間コストに疑問を持ち、買い切り型の「ひとり青色」を開発・公開。