役員報酬の仕訳のやり方
計上・支払い・源泉徴収を仕訳例で解説
ひとり社長・マイクロ法人の経理で必ず出てくるのが「役員報酬の仕訳」です。支払いのたびに3種類の仕訳が必要なケースもあり、初めての方は戸惑うことが多いです。本記事では、役員報酬に関する仕訳を具体的な金額例で解説します。
役員報酬の仕訳の基本
役員報酬とは、会社が役員(社長など)に支払う報酬のことです。個人事業主の「生活費の引き出し(事業主貸)」とは異なり、会社と役員の間で正式な支払いとして処理します。
役員報酬に関する仕訳は主に3つ
- 役員報酬の計上(費用として帳簿に記録)
- 役員報酬の振込・支払い(実際の資金移動)
- 翌月の源泉所得税納付(税務署への支払い)
役員報酬は原則として定期同額給与(毎月同額)である必要があります。不規則に変更すると税務上の損金算入が認められなくなる可能性があります。
① 役員報酬の計上(月次)
毎月末(または支払日)に、役員報酬を費用として計上します。源泉所得税は「預り金」として処理します。
例:月次報酬 500,000円・源泉徴収税額 30,420円の場合
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 役員報酬 | 500,000 | 預り金 | 30,420 |
| 未払金 | 469,580 |
※ 未払金 = 500,000 − 30,420 = 469,580円(役員の手取り相当)
・役員報酬(5241):会社の費用として計上
・預り金(2131):源泉徴収した所得税を翌月納付するまで預かっておく
・未払金(2191):まだ役員の口座に振り込んでいない金額
② 役員報酬の支払い(振込)
実際に役員の銀行口座に手取り額を振り込んだタイミングで記帳します。
例:手取り 469,580円を振込
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 未払金 | 469,580 | 普通預金 | 469,580 |
計上と支払いを同日にまとめて処理する場合は、未払金を経由せず直接「役員報酬 / 普通預金 + 預り金」でも問題ありません。
③ 源泉所得税の納付
源泉徴収した所得税は、翌月10日までに税務署(e-Tax)へ納付します(納期の特例を適用している場合は半年に1回)。
例:源泉所得税 30,420円を納付
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 預り金 | 30,420 | 普通預金 | 30,420 |
よくある疑問
Q. 役員報酬と給与(社員の給料)の仕訳は同じ?
A. 勘定科目が異なります。役員には「役員報酬(5241)」、一般社員には「給料賃金(5201)」を使います。ひとり社長で従業員がいない場合は役員報酬のみです。
Q. 役員報酬を払わないとどうなる?
A. 報酬ゼロでも問題ありません。ただし社会保険の被保険者としての要件を満たさなくなる可能性があります。マイクロ法人の節税スキームとしての効果が薄れる場合もあるため、税理士に確認を。
Q. 社会保険料(法人負担分)の仕訳は?
A. 法定福利費(5221)/ 未払費用(2181)として計上し、納付時に未払費用 / 普通預金で消込みます。役員報酬の仕訳とは別に処理します。
ひとり青色での入力方法
ひとり青色は役員報酬(5241)などの法人用勘定科目に対応しています。仕訳入力画面で摘要に「役員報酬」と入力すると科目が自動提案されます。
対応している法人科目(一部)
✓ 役員報酬(5241)
✓ 法人税等(5601)
✓ 資本金(3201)
✓ 未払法人税等(2171)
✓ 繰越利益剰余金(3211)
✓ 役員借入金(2221)