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帳簿・決算書 2026年6月更新

青色申告の貸借対照表(B/S)の作り方【2026年版・65万円控除に必要な理由】

青色申告65万円控除を受けるには、損益計算書だけでなく「貸借対照表(バランスシート)」の作成・提出も必要です。何を記載するのか、どう作るのかをステップ別に解説します。

貸借対照表が必要な理由

65万円控除は「複式簿記」での記帳が条件です。複式簿記では損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)の2つが作成されます。貸借対照表が添付されていないと65万円控除は受けられず55万円に下がります。

損益計算書と貸借対照表の違い

損益計算書(P/L)貸借対照表(B/S)
何を示すかその期間の利益・損失ある時点の財産・借金の状態
期間1年間(期間)12月31日時点(一時点)
主な項目売上・経費・利益資産・負債・資本
65万円控除に必要か必要必要(これがないと55万円)

貸借対照表の基本構造

貸借対照表は「左側(資産)=右側(負債+資本)」が常に成立する表です。

資産の部(左側) 負債・資本の部(右側)

流動資産

・現金・普通預金

・売掛金(未回収の売上)

・前払費用

固定資産

・パソコン・機材(減価償却後)

繰延資産

・開業費(未償却残高)

流動負債

・買掛金(未払の仕入)

・未払金・未払費用

・預り金(源泉税など)

資本

・元入金(事業の元手)

・事業主借(個人→事業への入金)

・事業主貸(事業→個人への出金)

・当期純利益

※左側(資産)の合計 = 右側(負債+資本)の合計 になれば正しく作成されています。

個人事業主(フリーランス)の主な勘定科目一覧

フリーランス・個人事業主の貸借対照表によく登場する勘定科目をまとめます。

資産の部

勘定科目内容記入するタイミング
現金手元の現金12月31日時点の残高
普通預金事業用銀行口座の残高12月31日の通帳残高
売掛金請求済だが未入金の売上年末時点で未回収の請求額
前払費用翌年分の保険料・サブスクなど翌期以降に対応する前払い分
工具器具備品パソコン・カメラなどの固定資産取得価額から減価償却を引いた残高
開業費開業前にかかった費用(繰延資産)任意償却で毎年減らせる

負債の部

勘定科目内容記入するタイミング
未払金サービス利用済・未払いの費用年末時点で未払いのもの
未払費用継続契約の発生済未払分決算整理で計上
預り金源泉所得税など一時的に預かるもの源泉徴収した金額

資本の部(個人事業主特有)

勘定科目内容
元入金事業の元手。前年末の「資産合計 − 負債合計」が翌年の元入金になる
事業主借個人の財布から事業に入れたお金(生活費→事業費)
事業主貸事業の口座から個人用に使ったお金(給料の代わり)

※事業主貸は資産側に分類する場合もありますが、ひとり青色では資本の調整項目として自動処理されます。

手動で貸借対照表を作成する手順(5ステップ)

会計ソフトを使わず手動で作成する場合の手順です。

  1. 1

    資産を全て洗い出す

    12月31日時点の現金・預金残高(通帳で確認)、未回収の売掛金、パソコン等の固定資産(減価償却後)を一覧にします。

  2. 2

    負債を全て洗い出す

    12月31日時点で支払っていない費用(未払金・未払費用)、預かった源泉税などを一覧にします。

  3. 3

    元入金を確認する

    前年の貸借対照表から「資産合計 − 負債合計」を計算。開業初年度は事業に投入した初期資金が元入金です。

  4. 4

    右側(負債+資本)を集計する

    負債合計+元入金+事業主借−事業主貸+当期純利益 を計算します。当期純利益は損益計算書の最終行と一致します。

  5. 5

    左右の合計が一致するか確認する

    左側(資産合計)= 右側(負債+資本合計)になれば完成です。一致しない場合は仕訳に誤りがあります。

貸借対照表の記入例(完成サンプル)

フリーランス1年目の例(12月31日時点)。左側(資産)と右側(負債+資本)が同じ金額になっているのがポイントです。

資産の部 金額 負債・資本の部 金額
現金50,000 未払金30,000
普通預金800,000 元入金500,000
売掛金150,000 事業主借200,000
工具器具備品120,000 事業主貸△300,000
当期純利益690,000
資産合計1,120,000 負債・資本合計1,120,000

※両側とも 1,120,000円で一致(30,000+500,000+200,000−300,000+690,000=1,120,000)。当期純利益は損益計算書の最終行と同じ額になります。事業主貸はマイナス表記(△)で資本を減らす調整項目です。

※実際の青色申告決算書のB/Sは「期首」「期末」の2列ですが、考え方は同じで、各時点で左右が一致します。

会計ソフトで自動作成する方法(推奨)

複式簿記で仕訳入力すれば貸借対照表は自動生成されます

会計ソフトで毎回の取引を「借方・貸方」で入力(仕訳)していくと、ソフトが自動的に集計して損益計算書と貸借対照表を作成してくれます。手動で作成する必要はありません。

仕訳を入力するだけ ——個々の取引を入力するだけで、貸借対照表は月次・年次で自動更新されます。手計算は不要です。
左右のずれが自動チェックされる ——仕訳に誤りがあれば貸借が合わないため、ソフトがエラーとして検出してくれます。
確定申告書に添付できる形式で出力 ——税務署提出用のフォーマットで出力・印刷できます。

貸借対照表が合わない場合の原因と対処

「左右が合わない」「資産と負債+資本の合計が違う」場合によくある原因です。

原因①:現金・預金の残高が実際と違う

帳簿上の現金残高と実際の財布・通帳残高を照合してください。差異があれば仕訳漏れか入力ミスがあります。

原因②:事業主貸・事業主借の仕訳漏れ

個人口座から事業費を払った(事業主借)、事業口座から生活費を払った(事業主貸)の記録が漏れているケースが多いです。

原因③:元入金の計算ミス

元入金は前年末の「資産合計 − 負債合計」です。手動で計算している場合は計算式を再確認してください。

よくある質問

貸借対照表の左右が合わない場合はどうすれば?

仕訳に誤りがある可能性が高いです。よくある原因は①現金・預金残高が帳簿と実際で合っていない②事業主貸・事業主借の仕訳漏れ③元入金の計算ミス、の3つです。まず現金・預金の残高を通帳と照合するところから始めてください。

フリーランスで固定資産がない場合も貸借対照表は必要ですか?

はい、必要です。固定資産がなくても、65万円控除を受けるには貸借対照表の提出が必須です。現金・預金・売掛金などの流動資産と元入金・事業主貸などを記入して提出します。

元入金はどう計算しますか?

元入金 = 前年末の資産合計 − 前年末の負債合計 で計算します。開業初年度は事業のために用意した初期資金(開業費を含む)が元入金になります。会計ソフトを使っている場合は自動計算されます。

貸借対照表はいつまでに提出が必要ですか?

確定申告の期限(翌年3月15日)までに、損益計算書とともに提出または添付します。e-Taxで電子申告する場合は、申告データに添付して送信します。

貸借対照表もひとり青色で自動作成

仕訳入力するだけで損益計算書・貸借対照表を自動生成。65万円控除に必要な書類がそろいます。

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あおい

あおい

ひとり青色 開発者

法務関係の仕事をしながら副業を始め、確定申告が必要になったことをきっかけに青色申告ソフトを自作。月額制ソフトの年間コストに疑問を持ち、買い切り型の「ひとり青色」を開発・公開。