マイクロ法人の会計・帳簿はどうする?
コスト最小化で選ぶ会計ソフト
社会保険料の節約や副業収入の分離を目的に「マイクロ法人」を設立する個人事業主が増えています。ただし法人には帳簿作成義務があります。本記事では、マイクロ法人の会計処理の基本と、コストを最小化するソフト選びを解説します。
マイクロ法人とは
マイクロ法人とは、社会保険料の最適化や所得分散を目的に設立する小規模な法人(主に合同会社・株式会社)のことです。一般的な使い方は以下の通りです。
よくあるマイクロ法人の使い方
- ①個人事業主として本業を営みながら、副業収入や不動産収入をマイクロ法人に入れる
- ②法人から自分に役員報酬を支払い、社会保険の被保険者になる(国保より安くなるケースがある)
- ③個人事業の所得と法人所得を分散して税率を下げる
⚠️ マイクロ法人の設立・運用は個人の状況によって効果が異なります。税理士などの専門家に相談の上、判断してください。
マイクロ法人に必要な会計処理
法人(株式会社・合同会社)には、規模を問わず複式簿記による帳簿作成が義務付けられています。「小さい会社だから簡単でいい」は通用しません。
日々の仕訳入力
売上・経費・役員報酬・社会保険料などを複式簿記で記帳
決算書の作成(年1回)
損益計算書・貸借対照表を決算期ごとに作成
法人税申告(年1回)
決算書をもとに法人税申告書を作成してe-Taxで提出。税理士に依頼するケースも多い
マイクロ法人の場合、取引件数はそれほど多くないため、帳簿自体はシンプルです。ただし法人フォーマットに対応した会計ソフトが必要です。
会計ソフトのコスト問題
「節約のためにマイクロ法人を作ったのに、会計ソフトで毎年5万円かかる」という本末転倒な状況になりがちです。
| ソフト | 法人向け年額 | 5年コスト |
|---|---|---|
| freee会計(法人) | ¥47,760〜/年 | ¥238,800〜 |
| マネーフォワード(法人) | ¥35,760〜/年 | ¥178,800〜 |
| ひとり青色(買い切り) | ¥0(初回¥4,980のみ) | ¥4,980 |
マイクロ法人の取引は個人事業に比べてシンプルなケースが多く、フル機能のクラウドは不要です。帳簿・決算書の作成に特化したソフトで十分なことがほとんどです。
個人事業と法人の二刀流管理
マイクロ法人を持つ場合、個人事業(青色申告)と法人の帳簿をそれぞれ別々に管理する必要があります。
個人事業
- • 売上・経費の記帳
- • 青色申告特別控除(65万円)
- • 確定申告(e-Tax)
マイクロ法人
- • 役員報酬・経費の記帳
- • 法人決算書(PL・BS)
- • 法人税申告(e-Tax法人)
ひとり青色は複数事業体の管理に対応しており、個人事業用と法人用でデータを完全に分離して管理できます。1本のソフトで両方をカバーできるため、追加コストがかかりません。
マイクロ法人向けソフトの選び方
法人フォーマット(売上総利益→当期純利益)の損益計算書・貸借対照表が出力できる
役員報酬・法人税等の勘定科目に対応している
個人事業と法人のデータを分けて管理できる
月額・年額コストが低い(マイクロ法人はシンプルな取引が多い)
銀行口座との自動連携(取引が少ないなら必須ではない)