ひとり社長・役員報酬の決め方【2026年版】
適正額と節税効果・変更できるタイミング
合同会社・株式会社のひとり社長が役員報酬をいくらに設定するかは、法人税・個人所得税・社会保険料の三角関係で決まります。適正額の考え方と注意点を解説します。
役員報酬の金額が影響する税・保険料
| 役員報酬が高いと | 役員報酬が低いと |
|---|---|
| ✓ 法人の利益が減る → 法人税が下がる | ✓ 個人の所得税・住民税が少ない |
| × 個人の所得税・住民税が増える | × 法人の利益が大きくなり法人税増 |
| × 社会保険料(健康保険・厚生年金)が増える | ✓ 社会保険料を抑えられる(マイクロ法人) |
役員報酬の設定パターン
パターン①:法人利益をゼロにする(税負担最小化)
法人の利益がほぼゼロになるように役員報酬を設定。法人税がほぼかからない。ただし個人の所得税・社会保険料が増えるため、総合的な税負担シミュレーションが必要。
パターン②:マイクロ法人で最低限の報酬設定(社保節約)
役員報酬を月4〜5万円に設定し、社会保険料を最小化。個人事業主としての事業収入は別に確定申告。二刀流節税の基本戦略。
パターン③:老後対策として高めの厚生年金を積む
役員報酬を高めに設定して厚生年金保険料を多く払うことで、将来受け取る厚生年金が増える。長期的な老後対策として検討する戦略。
役員報酬の変更ルール
重要:期中変更は原則NG(損金不算入リスク)
- 役員報酬は事業年度開始後3ヶ月以内に決定する(定期同額給与)
- 一度決定した報酬は1年間変更できないのが原則
- 期中に変更した場合、変更分は損金算入が認められない可能性がある
- 例外:業績著しく悪化した場合の「業績悪化改定事由」による変更は可能
よくある質問
役員報酬の最適額はどうやって計算しますか?
「法人税+個人所得税・住民税+社会保険料」の合計が最小になる役員報酬額を算出します。収入規模・家族構成・各種控除によって変わるため、税理士に試算を依頼することをおすすめします。
役員報酬ゼロにできますか?
ゼロに設定することは可能ですが、社会保険(法人は加入義務)の取り扱いが問題になる場合があります。また役員報酬がゼロだと給与所得控除が使えず、法人の利益に全額法人税がかかります。
役員報酬を決めるタイミングはいつですか?
役員報酬は事業年度開始後3ヶ月以内に決定する必要があります(定期同額給与)。合同会社の場合は代表社員が決定、株式会社の場合は株主総会での決議が一般的です。一度決めると期末まで変更が難しいため、慎重に設定しましょう。
役員報酬を配偶者にも払えますか?
配偶者が実際に法人の業務に従事しているなら、役員または従業員として報酬・給与を支払えます。法人から配偶者への給与は全額損金算入でき、家族内での所得分散による節税効果があります。業務実態のない名目上の役員報酬は否認されるリスクがあります。
関連記事
あおい
ひとり青色 開発者
法務関係の仕事をしながら副業を始め、確定申告が必要になったことをきっかけに青色申告ソフトを自作。月額制ソフトの年間コストに疑問を持ち、買い切り型の「ひとり青色」を開発・公開。