個人事業主の住宅ローン控除【2026年版】
毎年確定申告で申告が必要な理由と書き方
住宅を購入した個人事業主・フリーランスが住宅ローン控除を受けるには、会社員と異なり毎年確定申告で申告する必要があります。申告を忘れると控除がゼロになります。方法と注意点を解説します。
個人事業主が必ず知っておくべき違い
会社員の場合
1年目:確定申告で申告
2年目以降:年末調整に切り替わり自動で控除される
個人事業主の場合
1年目〜13年目まで毎年確定申告で申告が必要
申告を忘れるとその年の控除はゼロ
住宅ローン控除の基本(2022年以降入居)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 控除率 | 年末ローン残高の 0.7% |
| 控除期間 | 最大 13年間(長期優良住宅・低炭素住宅等は同じく13年) |
| 借入限度額 | 省エネ基準適合住宅:3,000万円、一般住宅:2,000万円(2024〜2025年入居) |
| 最大控除額(年) | 省エネ基準:21万円/年、一般:14万円/年 |
| 所得制限 | 合計所得金額 2,000万円以下 |
| 住民税控除 | 所得税で引ききれない場合は翌年住民税から(上限97,500円) |
※2021年以前入居の旧制度は残高×1%・10年間。適用年度・住宅の種類によって異なります。
控除額の計算例
例:省エネ基準適合住宅を4,000万円で購入・ローン残高3,000万円の場合
所得税額が21万円未満の場合、残額は翌年住民税(上限97,500円)から控除されます。
確定申告に必要な書類
1年目(初回申告)
- ①住宅借入金等特別控除額の計算明細書(税務署・国税庁サイトで入手)
- ②土地・建物の登記事項証明書(法務局で取得、オンライン請求可)
- ③売買契約書または建築請負契約書の写し
- ④住宅ローンの年末残高証明書(金融機関から郵送)
- ⑤マイナンバーカードまたは本人確認書類
2年目以降(毎年)
- ①住宅借入金等特別控除額の計算明細書(簡易版)
- ②住宅ローンの年末残高証明書
2年目以降は書類が大幅に減ります。ただし申告自体は毎年必要です。
e-Taxで申告する場合は年末残高証明書の添付を省略できます(5年間保存義務あり)。
自宅兼事務所の場合の注意点
按分が必要:居住用部分のみが控除対象
自宅の一部を事業用として家事按分している場合、事務所部分に対応するローン残高は住宅ローン控除の対象外です。
計算例
床面積70平米のうち事務所として使用:14平米(20%)
居住用割合:80%
年末ローン残高3,000万円 × 80% = 2,400万円が控除対象
住宅ローン控除額:2,400万円 × 0.7% = 16.8万円/年
申告書への記入の流れ
計算明細書で控除額を計算する
「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」に年末残高・居住用割合を記入し、控除額を算出します。
確定申告書第一表に記入する
「税額控除」欄の「住宅借入金等特別控除」に控除額を記入します。青色申告ソフトでは計算明細書の数値を入力すると自動で反映されます。
書類と合わせて提出する
計算明細書・年末残高証明書等を添付して税務署に提出します。e-Taxの場合は電子申告で書類添付を省略できます(データ保存が必要)。
よくある質問
個人事業主も住宅ローン控除を受けられますか?
はい、受けられます。年末調整がないため毎年確定申告での申告が必要ですが、会社員と同様に控除を受けられます。申告を忘れるとその年の控除はゼロになるため、毎年の確定申告時に必ず申告しましょう。
住宅ローン控除の申告を忘れた場合、取り戻せますか?
申告期限(3月15日)から5年以内であれば「更正の請求」で取り戻せます。例:2023年分を申告し忘れた場合は2028年3月15日まで請求可能です。気づいたら早めに対応しましょう。
自宅兼事務所でも住宅ローン控除は使えますか?
居住用割合に応じた部分のみ控除対象です。事務所として按分している面積分は控除対象外になります。居住用割合が90%以上の場合は全額居住用として扱える場合があります。
所得税が少なくて控除しきれない場合はどうなりますか?
所得税から引ききれない控除額は翌年の住民税から控除されます(上限97,500円)。個人事業主は所得税額が少ない年でも住民税経由で一部控除を受けられます。
関連記事
あおい
ひとり青色 開発者
法務関係の仕事をしながら副業を始め、確定申告が必要になったことをきっかけに青色申告ソフトを自作。月額制ソフトの年間コストに疑問を持ち、買い切り型の「ひとり青色」を開発・公開。