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確定申告・税金 2026年6月更新

自宅兼事務所の住宅ローン控除【家事按分で控除が減る?事業割合10%の壁】

持ち家で仕事をする個人事業主には、「家事按分で経費を増やすと、住宅ローン控除が減る」というトレードオフがあります。そして多くの方が知らないのが「事業割合10%以下なら住宅ローン控除を満額受けられる」という取り扱いです。この記事で損得の分岐点を整理します。

大前提:住宅ローン控除は「居住用部分」にしか効かない

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、自宅の居住用部分に対応するローン残高にのみ適用されます。自宅の30%を事業に使っていると申告すれば、住宅ローン控除も原則70%分しか受けられません。

⚠ 床面積の1/2要件にも注意

床面積の2分の1以上が自己の居住用であることが住宅ローン控除の適用要件です。事業割合が50%以上になると、控除そのものが受けられなくなります。

「事業割合10%以下」なら満額控除できる

重要な例外があります。事業利用割合がおおむね10%以下であれば、建物全体を居住用として取り扱い、住宅ローン控除を満額(100%)受けられます(租税特別措置法関係通達の取り扱い)。

事業割合10%以下の場合

  • 住宅ローン控除:満額
  • 家事按分の経費:10%分は計上可
  • いいとこ取りができる

事業割合10%超の場合

  • 住宅ローン控除:居住割合分のみ
  • 家事按分の経費:事業割合分を計上
  • 控除減と経費増を天秤にかける必要

具体例:どちらが得か計算してみる

ローン残高3,000万円・建物の減価償却費+利息+固定資産税が年60万円・所得税率20%のケースで比較します。

項目 事業割合10% 事業割合30%
住宅ローン控除(残高×0.7%) 21万円(満額) 14.7万円(70%)
按分経費による節税(経費×30%※) 約1.8万円 約5.4万円
節税効果の合計 約22.8万円 約20.1万円

※所得税20%+住民税10%として概算。住宅ローン控除は税額控除のため効果が大きい。

結論の目安

住宅ローン控除の適用期間中(最長13年)は、事業割合を10%以内に抑えて満額控除を取るのが多くの場合有利です。控除期間が終わったら、実態に応じて事業割合を上げて按分経費を増やすのが定石です。ただし按分割合は「実態」で決めるのが大原則で、節税のためだけに恣意的に変えることはできません。

持ち家の家事按分で経費にできるもの

建物の減価償却費

建物取得価額を法定耐用年数で償却した額 × 事業割合

住宅ローンの利息部分

利息のみ。元本返済は経費にならない

固定資産税・火災保険料

事業割合分を租税公課・損害保険料として計上

ローン元本・土地の減価償却

元本は借金の返済であり経費ではない。土地は減価しないため償却もない

按分割合の決め方(床面積・使用時間)は家事按分の方法と割合の決め方で詳しく解説しています。

よくある質問

自宅で仕事をしていると住宅ローン控除は受けられませんか?

受けられます。住宅ローン控除は居住用部分に適用されるため、事業利用していても居住部分の割合に応じて控除を受けられます。さらに事業利用割合がおおむね10%以下であれば、建物全体を居住用として扱い、住宅ローン控除を満額受けられる取り扱いがあります。

家事按分で経費を増やすのと住宅ローン控除はどちらが得ですか?

多くの場合、住宅ローン控除を優先(事業割合10%以内)の方が有利です。住宅ローン控除は税額から直接引かれる税額控除(年末残高の0.7%)なのに対し、家事按分は経費×税率分の効果しかないためです。例えば残高3,000万円なら控除は年21万円。按分経費がこれを上回るケースは限定的です。

持ち家の家事按分では何を経費にできますか?

持ち家の場合、建物の減価償却費・住宅ローンの利息部分・固定資産税・火災保険料などを事業割合に応じて按分し経費にできます。ローンの元本返済は経費になりません。賃貸と違い家賃そのものがない点に注意してください。

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あおい

あおい

ひとり青色 開発者

法務関係の仕事をしながら副業を始め、確定申告が必要になったことをきっかけに青色申告ソフトを自作。月額制ソフトの年間コストに疑問を持ち、買い切り型の「ひとり青色」を開発・公開。