青色申告の減価償却費の計算方法
【2026年版・定額法・耐用年数一覧】
PCや机・カメラなどの備品を買ったとき、一定金額以上なら「減価償却」が必要です。計算方法・耐用年数・仕訳の書き方を個人事業主向けにわかりやすく解説します。
減価償却とは?
10万円以上の資産は、購入した年に全額経費にするのではなく、耐用年数(使用できる年数)に分けて少しずつ経費にしていく仕組みです。これを減価償却といいます。
どの資産が減価償却の対象?
| 金額 | 処理方法 | 青色申告の特例 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 購入年に全額経費(消耗品費) | — |
| 10万円〜30万円未満 | 本来は減価償却が必要 | 一括経費化OK(少額特例) |
| 30万円以上 | 減価償却が必要 | — |
※青色申告者の少額減価償却特例は年間合計300万円まで
定額法(個人事業主はこちらが原則)の計算式
年間償却額 = 取得価額 × 定額法の償却率
(償却率 = 1 ÷ 耐用年数)
計算例:ノートPC(25万円、耐用年数4年)
・償却率 = 1 ÷ 4年 = 0.25
・年間償却額 = 250,000円 × 0.25 = 62,500円
・4年間で合計249,999円(最終年は備忘価額1円を残す)
年の途中で買った場合は「月割」で計算する
資産を取得した年は、1年分をまるまる償却するのではなく、取得した月から12月までの月数で按分します(月割計算)。これを忘れると初年度の償却費を多く計上してしまい、誤りのもとになります。
初年度の償却費 = 年間償却額 × 使用月数 ÷ 12
※ 1か月未満の端数は1か月として数える(例:8月20日取得でも8月は1か月)
計算例:8月に取得した25万円のPC(耐用年数4年)
・使用月数 = 8月〜12月 = 5か月
・初年度の償却費 = 250,000円 × 0.25 × 5 ÷ 12 = 26,042円(端数切り上げ)
・2年目以降は通年の62,500円ずつ、最終年に残りを償却して備忘価額1円を残す
フリーランス・個人事業主がよく使う資産の耐用年数
| 資産の種類 | 耐用年数 | 償却率 |
|---|---|---|
| パソコン(サーバー以外) | 4年 | 0.250 |
| カメラ・撮影機材 | 5年 | 0.200 |
| 机・椅子などの家具 | 8年 | 0.125 |
| 電話・スマートフォン | 10年 | 0.100 |
| 自動車(普通乗用車) | 6年 | 0.167 |
| 建物(木造・事務所用) | 24年 | 0.042 |
※詳細は国税庁「耐用年数表」を参照してください。
減価償却費の仕訳の書き方
①資産購入時(25万円のPC)
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 工具器具備品 | 250,000 | 普通預金 | 250,000 |
②決算時:年間償却費の計上(62,500円)
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 62,500 | 減価償却累計額 | 62,500 |
よくある質問
年の途中で買った資産の減価償却はどう計算しますか?
取得した年は「取得した月から12月まで」の月数で月割します。年間償却額 × その年の使用月数 ÷ 12 が初年度の償却費です。たとえば8月に取得した場合は8〜12月の5か月分になります。1か月未満の端数は1か月として数えます。
減価償却費に1円未満の端数が出たらどうしますか?
税法上は切り上げ・切り捨て・四捨五入のいずれでも構いません。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」は端数を切り上げて処理しています。前年までの申告と数値を揃えたい場合は、同じ処理方法を続けるのがおすすめです。会計ソフトを使えば自動で計算されます。
定額法と定率法はどちらを使いますか?
個人事業主は届出をしなければ定額法(法定償却方法)になります。定率法を使いたい場合は「所得税の減価償却資産の償却方法の届出書」を提出します。ただし建物・建物附属設備・構築物は定額法しか使えません。
中古で買った資産の耐用年数は?
中古資産は「簡便法」で耐用年数を短くできます。法定耐用年数の全部を過ぎた資産は法定耐用年数×20%、一部を過ぎた資産は(法定耐用年数−経過年数)+経過年数×20%で計算し、いずれも最短2年です。中古車などは償却を早められるメリットがあります。
10万円未満・30万円未満の特例の違いは?
10万円未満は消耗品費として購入年に全額経費にできます。10万円以上30万円未満は青色申告者の少額減価償却資産の特例で一括経費化できます(年間合計300万円まで)。また20万円未満は3年で均等償却する一括償却資産も選べ、こちらは償却資産税の対象外になる利点があります。
償却の途中で資産を売却・廃棄したらどうしますか?
売却・廃棄した年は、その年初から手放した月までの月割で償却費を計上し、残った帳簿価額と売却額との差額を処理します。売却なら譲渡所得、廃棄なら固定資産除却損として扱います。固定資産台帳で帳簿価額を管理しておくとスムーズです。
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あおい
ひとり青色 開発者
法務関係の仕事をしながら副業を始め、確定申告が必要になったことをきっかけに青色申告ソフトを自作。月額制ソフトの年間コストに疑問を持ち、買い切り型の「ひとり青色」を開発・公開。