フリーランスの業務委託契約書【2026年版】
必要な理由・必須項目・トラブル防止のポイント
「契約書なしで口頭で進めていたら報酬を踏み倒された」「無限に修正を求められる」——フリーランスのトラブルの多くは契約書の不備から始まります。業務委託契約書の作り方と、押さえるべきポイントを解説します。
契約書なしで起きやすいトラブル
- ▸「そんな金額で合意していない」と報酬を下げられる・支払われない
- ▸修正・追加作業を無制限に要求される
- ▸納品後に「著作権はクライアントのもの」と主張される
- ▸キャンセルされてもキャンセル料を請求できない
- ▸「仕事を手伝っただけ」と偽装請負を主張される
業務委託契約書の必須記載項目
① 業務内容・成果物の定義
「何を」「どこまで」納品するかを具体的に明記。「Webサイトのデザイン制作(トップページ・下層ページ各3点)」のように明確にする。
② 報酬金額・支払条件
金額(税込・税抜の明記)、支払日(納品後○日以内など)、支払方法(銀行振込・振込手数料負担者)を明記する。
③ 納期・スケジュール
納品期限を明記。「○月○日までに初稿納品」「修正後○日以内に最終納品」など段階的なスケジュールも記載が望ましい。
④ 修正・変更の範囲と回数
「修正は○回まで含む」「仕様変更は別途見積もり」と明記する。無制限修正トラブルの最大の防止策。
⑤ 著作権・知的財産権の帰属
デフォルトでは著作権は制作者(フリーランス)に帰属。納品後にクライアントに移転するか、ライセンス許諾のみかを明記する。
⑥ 秘密保持(NDA)
業務を通じて知り得た情報の取り扱い。クライアントの事業情報・個人情報の漏洩を防ぐ条項。
⑦ キャンセル・中途解除規定
発注後キャンセルされた場合のキャンセル料(着手済み作業分の○%など)を明記する。
⑧ 再委託・外注の可否
一部作業を他のフリーランスに外注する場合は事前に許可を得る旨の規定。
2024年施行「フリーランス新法」のポイント
特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(2024年11月施行)
- ✓発注事業者の書面明示義務:発注時に業務内容・報酬・納期等を書面または電磁的方法で明示することが義務
- ✓60日以内の支払い義務:納品後60日以内の報酬支払いが義務
- ✓ハラスメント対策義務:発注事業者はフリーランスへのハラスメント防止措置が義務
- ✓不当な給付内容の変更禁止:一方的な業務内容の変更・報酬の減額が禁止
この法律があっても、契約書を作成しておくことが自身を守る最善策です。
よくある質問
契約書なしで仕事を受けても大丈夫ですか?
法律上は口頭契約でも有効ですが、トラブル時に証拠がなくなります。報酬不払い・無限修正・著作権トラブルは契約書なしのケースで多発します。必ず作成することをおすすめします。
契約書は印紙税がかかりますか?
業務委託契約書(請負契約)は印紙税の対象になる場合があります。報酬が1万円以上の場合、原則として契約金額に応じた収入印紙が必要です。ただし電子契約(電子署名)を利用した場合は印紙税が不要になります。
クライアントが契約書を嫌がる場合はどうしますか?
「お互いの認識齟齬を防ぐためのものです」と説明して合意書・発注書ベースの簡易な書面でも可とする提案をしましょう。契約書を嫌がるクライアントはトラブルのリスクが高い可能性があります。
電子契約(DocuSign等)でも法的効力はありますか?
はい、電子署名法に基づく電子契約は紙の契約書と同等の法的効力があります。DocuSign・クラウドサインなどを使えば印紙税も不要でコスト面でもメリットがあります。フリーランス保護新法でも「電磁的方法による明示」が認められています。
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あおい
ひとり青色 開発者
法務関係の仕事をしながら副業を始め、確定申告が必要になったことをきっかけに青色申告ソフトを自作。月額制ソフトの年間コストに疑問を持ち、買い切り型の「ひとり青色」を開発・公開。