30万円未満の少額減価償却資産特例とは【2026年版】
青色申告者だけの節税テクニック
青色申告をしている個人事業主・フリーランスは、取得価額30万円未満の資産を購入した年に全額経費計上できる「少額減価償却資産の特例」が使えます。パソコン・カメラ・デスクなど設備投資が多い方にとって、大きな節税効果があります。
制度の概要
特例の内容
- 取得価額30万円未満の資産が対象
- 購入年に全額一括経費計上できる
- 年間合計300万円まで適用可
適用条件
- 青色申告者のみ(白色申告は不可)
- 事業所得・不動産所得・山林所得の計算上の資産
- 業務用途であること
通常の減価償却との比較
25万円のパソコンを購入した場合の比較(法定耐用年数4年・定額法)
| 年度 | 通常の減価償却 | 30万円特例 |
|---|---|---|
| 1年目 | 31,250円(×3/12 月数按分) | 250,000円 |
| 2年目 | 62,500円 | — |
| 3年目 | 62,500円 | — |
| 4年目 | 62,500円 | — |
| 5年目 | 31,250円 | — |
※10月購入(3ヶ月分)の場合の計算例。特例を使うと初年度に218,750円多く経費化できます。
特例を使える・使えないもの
特例が使えるもの(例)
- パソコン・タブレット(29万円)
- デジタルカメラ(25万円)
- 業務用モニター(15万円)
- デスク・椅子(25万円)
- 外付けSSD・NAS(12万円)
- 照明・収録機材(20万円)
特例が使えないもの
- 取得価額30万円以上の資産
- 白色申告者の資産(すべて)
- プライベートのみの使用(按分なし)
- 棚卸資産(販売目的の在庫)
- 有価証券・土地
- 年間累計300万円超過分
帳簿への記入方法
少額減価償却資産特例を適用した場合、青色申告の減価償却費の明細(確定申告書の別表)に「中小企業者の少額減価償却資産」として記載します。
仕訳例(パソコン25万円を購入・特例適用)
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 | 摘要 |
|---|---|---|---|---|---|
| 購入時 | 工具器具備品 | 250,000 | 普通預金 | 250,000 | PC購入 |
| 年末 | 減価償却費 | 250,000 | 工具器具備品 | 250,000 | 少額減価償却特例 |
※ソフトで処理する場合は「少額減価償却(30万円特例)」として設定するだけで自動計算されます。
10万円・20万円の基準との使い分け
| 取得価額 | 処理の選択肢 | 適用条件 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 消耗品費(全額即時計上) | 誰でも可 |
| 10万円以上20万円未満 |
①30万円特例(全額) ②一括償却資産(3年均等) | ①は青色のみ / ②は誰でも |
| 20万円以上30万円未満 |
①30万円特例(全額) ②通常減価償却 | ①は青色のみ / ②は誰でも |
| 30万円以上 | 通常減価償却のみ | — |
よくある質問
特例を適用した資産は固定資産台帳に登録しなくていいですか?
少額減価償却特例を適用した年に全額費用化した資産も、固定資産台帳に記録しておくことが推奨されます。確定申告書の「少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に関する明細書」を添付する必要があり、ソフトを使えば自動で作成されます。
この特例はいつまで使えますか?
少額減価償却資産の特例は租税特別措置法により定められており、税制改正のたびに期限延長が繰り返されています。現時点では適用対象期間が設定されていますが、毎年度の税制改正で延長される場合が多いため、確定申告前に国税庁の最新情報を確認することをお勧めします。
プライベート兼用のPCに特例は使えますか?
はい。プライベートと兼用の場合は、事業使用割合で按分した後の金額が30万円未満であれば特例を適用できます。たとえば40万円のPCを事業70%で使う場合、事業分は28万円(40万円×70%)で30万円未満なので特例適用可能です。
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あおい
ひとり青色 開発者
法務関係の仕事をしながら副業を始め、確定申告が必要になったことをきっかけに青色申告ソフトを自作。月額制ソフトの年間コストに疑問を持ち、買い切り型の「ひとり青色」を開発・公開。