個人事業主のふるさと納税 上限額シミュレーション
【課税所得別早見表】
個人事業主のふるさと納税の上限額は、会社員のように「年収」ではなく課税所得で決まります。ポータルサイトの年収シミュレーターをそのまま使うと上限を見誤りがちです。この記事では課税所得別の早見表と計算式、12月にやるべき見込み計算の手順を解説します。
課税所得別・上限額の早見表
独身または共働き(配偶者控除なし)の個人事業主の目安です。住宅ローン控除等がある場合は変わります。
| 課税所得 | 所得税率 | 上限額の目安 |
|---|---|---|
| 100万円 | 5% | 約26,000円 |
| 200万円 | 10% | 約52,000円 |
| 300万円 | 10% | 約77,000円 |
| 400万円 | 20% | 約107,000円 |
| 500万円 | 20% | 約135,000円 |
| 600万円 | 20% | 約163,000円 |
| 800万円 | 23% | 約222,000円 |
| 1,000万円 | 33% | 約286,000円 |
※住民税所得割を課税所得×10%と仮定した概算です。実際の上限は各自治体の決定額により異なります。
上限額の計算式と「課税所得」の出し方
上限額の計算式
上限額 ≒ 住民税所得割額 × 20% ÷ (90% − 所得税率 × 1.021) + 2,000円
個人事業主の場合、計算の起点になる課税所得は次の順で求めます。
所得税の計算全体は個人事業主の所得税計算で解説しています。
会社員と違う3つの注意点
① ワンストップ特例は使えない
確定申告をする個人事業主はワンストップ特例の対象外です。申請していても確定申告をすると無効になります。確定申告書の寄附金控除欄に寄附額を記入して控除を受けます。
② 所得が12月末まで確定しない
会社員と違って年収が読めないため、年初の見込みで上限ギリギリまで寄附すると、年末に売上が落ちた場合に上限超過(自己負担)になります。
③ ふるさと納税は経費にならない
ふるさと納税は事業の経費ではなく個人の寄附金控除です。事業用口座から支払った場合は「事業主貸」で仕訳します。
実践:12月の「2段構え」寄附プラン
- 年の前半〜秋:前年の課税所得を基準に、上限目安の8割までに抑えて寄附する
- 12月上旬:1〜11月の帳簿を締めて当年の利益見込みを計算する(帳簿がリアルタイムなら数分)
- 12月中:見込み課税所得で上限を再計算し、残り枠分を追加で寄附する(決済完了が12月31日までのものが当年分)
この方法は帳簿が月次でついていることが前提です。個人事業主の会計管理(月次のすすめ)も参考にしてください。
よくある質問
個人事業主のふるさと納税の上限額はどう計算しますか?
上限額の目安は「住民税所得割額 × 20% ÷ (90% − 所得税率 × 1.021) + 2,000円」で計算します。個人事業主の場合、課税所得(収入 − 経費 − 青色申告特別控除 − 所得控除)が基準になります。会社員と違い年収ではなく課税所得ベースで考える点に注意してください。
個人事業主はワンストップ特例を使えますか?
確定申告をする個人事業主はワンストップ特例を使えません。ワンストップ特例は確定申告が不要な給与所得者向けの制度のため、確定申告をするとワンストップ特例の申請は無効になります。個人事業主は確定申告書の寄附金控除欄に記入して控除を受けます。
所得が確定する前にふるさと納税しても大丈夫ですか?
個人事業主の所得は12月末まで確定しないため、年の途中では上限額が読みにくいのが実情です。対策としては、(1)前年の課税所得を基準に8割程度に抑えて寄附する (2)11〜12月に当年の利益見込みを出してから追加で寄附する、の2段構えが安全です。上限を超えた分は自己負担になります。
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あおい
ひとり青色 開発者
法務関係の仕事をしながら副業を始め、確定申告が必要になったことをきっかけに青色申告ソフトを自作。月額制ソフトの年間コストに疑問を持ち、買い切り型の「ひとり青色」を開発・公開。