予定納税とは【個人事業主向け】
時期・金額・減額申請の方法【2026年版】
「税務署から急に納付書が届いた」「予定納税って何?」——個人事業主が初めて黒字を出した翌年に突然直面する制度です。 このページでは予定納税の仕組み・対象者・納付時期・減額申請の方法まで解説します。
予定納税 ポイントまとめ
- ①前年の所得税が15万円以上の個人事業主が対象
- ②前年所得税の1/3ずつを7月末と11月末に前払い
- ③翌年の確定申告で精算(払いすぎた分は還付)
- ④今年の収入が減る見込みなら減額申請できる
予定納税とは
予定納税とは、前年の確定申告で納めた所得税が15万円以上の場合、翌年の税金を事前に分割して国に前払いする制度です(所得税法第104条)。
会社員は給与から毎月天引きされますが、個人事業主は年1回の確定申告で精算します。国にとって「年1回まとめて払い」は資金繰りのリスクがあるため、前年実績をもとに分割前払いさせる仕組みです。
予定納税の計算式
予定納税額(1回分)= 前年の確定申告所得税額 × 1/3
※ 正確には「予定納税基準額」を使います。源泉徴収税額・配当控除等を考慮した調整後の金額です。
具体例:いくら払うの?
| 前年の確定申告所得税額 | 第1期(7月) | 第2期(11月) | 年間合計 |
|---|---|---|---|
| 15万円(対象ぎりぎり) | 50,000円 | 50,000円 | 100,000円 |
| 30万円 | 100,000円 | 100,000円 | 200,000円 |
| 60万円 | 200,000円 | 200,000円 | 400,000円 |
※ 翌年の確定申告でこの予定納税分が差し引かれます。今年の税額が前払い額より少なければ還付されます。
納付スケジュール
税務署から通知書が届く
「予定納税額の通知書」に第1期・第2期の金額が記載されています。
第1期:7月31日まで納付
前年所得税の1/3を納付します。e-Tax・金融機関・コンビニで支払い可能。
第2期:11月30日まで納付
同じく前年所得税の1/3を納付します。
翌年3月:確定申告で精算
予定納税額(第1期+第2期)が差し引かれた残額を納付。払いすぎていれば還付。
予定納税の仕訳方法
| 日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 |
|---|---|---|---|
| 7月31日 | 事業主貸 100,000 | 普通預金 100,000 | 予定納税 第1期 |
| 11月30日 | 事業主貸 100,000 | 普通預金 100,000 | 予定納税 第2期 |
収入が減ったら「減額申請」を使う
今年の売上や所得が前年より大幅に減る見込みがある場合、予定納税額の減額申請ができます。 見込み所得をもとに計算した税額に変更できるため、キャッシュフローの負担を減らせます。
| 申請の種類 | 申請期限 | 効果 |
|---|---|---|
| 第1期分のみ減額 | 7月15日まで | 第1期の予定納税額を減額 |
| 第1期・第2期 両方減額 | 11月15日まで | 両期分を減額(第1期は差額を還付) |
「予定納税額の減額申請書」を入手
国税庁のWebサイトからダウンロードするか、税務署の窓口で入手できます。
今年の見込み所得・税額を計算して記入
1月1日〜申請日までの実績+残り期間の見込みで年間所得を計算します。
申請期限までに税務署に提出
e-Tax(電子申告)または税務署窓口・郵送で提出できます。
よくある質問
予定納税の通知が来ていないけど、対象外ですか?
前年の確定申告所得税(予定納税基準額)が15万円未満の場合は対象外です。開業1年目や黒字が小さい年は対象にならないことが多いです。
予定納税を払えない場合はどうすればいいですか?
収入が減っているなら減額申請を優先しましょう。減額申請の期限を過ぎて払えない場合は、税務署に相談すると分割納付の相談ができる場合があります。放置すると延滞税が発生します。
予定納税は経費になりますか?
なりません。所得税は事業の経費にならないため、仕訳は「事業主貸/普通預金」で処理します。
確定申告で予定納税分はどう処理しますか?
確定申告書の「予定納税額」欄に第1期+第2期の合計を記入します。申告書の税額計算で自動的に差し引かれ、残額の納付または還付が決まります。